GUNSLINGER GIRL 作:相田裕 ---------------------------------------- ■第51話 暗殺任務 ♂ヒルシャー(ヴィクトル・ヒルシャー=ヴィクトル・ハルトマン): ♂ジャン(ジャン・クローチェ): ♂フロントマン: ♂アナウンサー: ♀トリエラ: ---------------------------------------- ***ナポリ市街地。 ***ヒルシャー、公社施設のジャンからの電話を携帯で受ける。 ヒルシャー「掃除(プリズィーア)ですか?」 ジャン(F)「オリエントホテルの宿泊客だ。」 ヒルシャー「対象は?」 ジャン(F)「一人だ…。護衛を数名連れてる。       511号室のツインを予約した。今日中に完遂しろ。       トリエラは万全か?」 ヒルシャー「ええ…。」 ジャン(F)「「薬」の携帯を忘れるな。       トリエラにもいつ依存症が出るかわからん。」 ***電話切れる。 ヒルシャー(M)「仕事の緊張は依存症の発作を起こす。         『ジャンさんは一期生を踏み台としか見ていない。』         そうマルコーが言ってた…」 ヒルシャー「………。」 ---------------------------------------- ***ナポリ市内、オリエントホテル511号室。 ***銃の手入れをするヒルシャー。 ヒルシャー(M)「アンジェリカが死んで動揺したトリエラに、これ以上ナポリで仕事はさせない。」 ***トリエラに電話をかける。 トリエラ(F)「ヒルシャーさん、これから戻りですか?」 ヒルシャー「もう少しかかる。       夕食は部屋でとれ。」 トリエラ(F)「えっ?はい…。」 ヒルシャー「おとなしく待ってろよ。」 トリエラ(F)「はい……。」 ---------------------------------------- ***オリエントホテル内を移動するヒルシャー。 ***テープでエレベーターをオープンにしたままにする準備をしつつ。 ヒルシャー(M)「ドアロックはカード式だから簡単に解除できる。         問題はボディーガードだ。         何とか不意をうたないと…。」 ***目標の15階に到着。 ***エレベーターまで様子を見に来た護衛を射殺。 ***移動しながらフロントに電話する。 フロントマン(F)「はい。オリエントホテルです。」 ヒルシャー「1507号室を頼む。」 ***ロックを解除し部屋に突入。 ***ヒルシャーの誘導でかかった電話をとっていた護衛もう一人も射殺。 ヒルシャー(M)「あと一人…」 ***残るレストルームに気配を感じ発砲。 ***ドア越しの銃撃戦の末、目標を射殺。ヒルシャーも右腹部に一発食らう。 ヒルシャー「ぐうっ…ハァ…。」 ヒルシャー(M)「やった…。         いつも『やれ』と命令すること…。         殺しの罪悪感とリスクを。         僕はすべてトリエラに預けてきたんだな……。」 ---------------------------------------- ***トリエラが待つホテル。 ***ニュースが流れている。 アナウンサー「次も発砲事件のニュースです。        2時間前市内のホテルで…」 ***ヒルシャー、部屋に入る。 ヒルシャー「ただいま…。」 トリエラ「おかえりなさいヒルシャーさん。」 ヒルシャー「これから本部に戻るぞ。」 トリエラ「は、はい。」 ヒルシャー「………。」 トリエラ「あの…、顔色が…。」 ヒルシャー「何でもない。」 ***トリエラ、異常に気付く。 トリエラ「血の匂い…。」 ヒルシャー「そうか?」 ***トリエラ、ヒルシャーにかじりつきコートの中を確認する。大量の血が滲む。 トリエラ「!      何ですかこれ!?      どこで…!!」 ヒルシャー「…少し仕事をしてきただけだ。       かすり傷だよ。心配ない。」 トリエラ「どうして私を連れて行かないんですか!?      戦いは私の役目なのに!?」 ヒルシャー「違う!!       お前の役目は生きる事…。       戦ってそしてできるだけ長生きすることだ!!」 トリエラ「(静かに泣き)………。      (走り出すAD)」 ***トリエラ、部屋を飛び出す。 ヒルシャー「トリエラ!!」 La Fine.