|
田中芳樹 |
|
25分 |
|
152 |
|
001 |
N |
宇宙暦796年 帝国暦487年 銀河は、専制政治を行う銀河帝国と共和主義を旗印にする自由惑星同盟との、長きにわたる戦いが続いていた。 |
--- | ||
002 |
N |
帝国艦隊旗艦ブリュンヒルト 上級大将 ローエングラム伯ラインハルト |
003 |
ラインハルト |
全艦隊、近接戦闘準備。 |
004 |
N |
宇宙艦隊戦における近接戦闘とは、各艦が搭載する艦載機を用いた軍事行動を意味する。 帝国軍の艦のカタパルトからは、主力艦載機であるワルキューレが次々と発進し、同盟軍を急襲した。 猛攻にさらされる同盟軍第二艦隊の旗艦パトロクロスのブリッジ。 指示を出す司令パエッタと、その様子を脇で見守る次席幕僚ヤン・ウェンリー准将の姿がある。 |
005 |
パエッタ |
全艦隊応戦!砲門、開けっ!! |
006 |
ヤン |
もう・・・遅いな・・・。 |
007 |
N |
最中、艦橋の窓たるモニター部分に閃光が走った。 すぐ隣で艦砲射撃をしていた僚艦がワルキューレの攻撃を受けて撃沈、その船体が流れブリッジを直撃したのだ。 それが生み出した大きな衝撃は艦全体に及び、投げ出されたオペレーターたちの悲鳴とアラートが艦橋を包んだ。 |
008 |
兵士A |
「こちら後部砲塔!!艦橋応答せよ!! どうか!指令を!! こちら後部砲塔!!艦橋応答せよ!! どうか!指令を!!」 |
009 |
兵士B |
「機関室!こちら機関室!! 艦橋、応答願います!」 |
010 |
N |
各部署からの報告と指示を仰ぐ通信が響く中、ヤン・ウェンリーは流血しながらもその身を起こすことに成功していた。 そして、すぐそばで司令パエッタが倒れていることを見止めた。 |
011 |
ヤン |
あ!総司令官! |
012 |
パエッタ |
う・・・うぅ・・・・・・・・・ |
013 |
ヤン |
「総司令官が負傷された。軍医は艦橋に来てくれ! 運用仕官は被害状況を調べ、修復せよ。報告は後でいい。 後部砲塔は各個の判断で攻撃を続行。 はぁ・・・。機関室は何か?」 |
014 |
兵士B |
「艦橋が心配だったのです。機関室に損害はありません。」 |
015 |
ヤン |
「いや、よかった。こちらは機能している。安心して任務に専念してくれ。」 誰か、仕官で無事なものは? |
016 |
アッテンボロー |
う・・・わたしゃ、簡単にはくたばりません・・・! |
017 |
N |
片腕を押えながらブリッジに入ってきたアッテンボローが返す。 しかし応答はそれきりだった。 |
018 |
ヤン |
ああ・・・!他には・・・いないのか? |
019 |
アッテンボロー |
はぁ・・・・・・。見回ってきましたが・・・・・・ |
020 |
ヤン |
それじゃ、首脳部は全滅に等しいじゃないか。 |
021 |
N |
その時、傍らで倒れていたパエッタが残る力を振り絞って上半身を起こした。 |
022 |
パエッタ |
う・・・うう・・・・・・ヤ、ヤン准将・・・! 君が・・・艦隊の指揮を執れ・・・! |
023 |
ヤン |
私が・・・ですか? |
024 |
パエッタ |
健在な・・・士官の中で・・・、どうやら君が最高位だ・・・。 用兵家としての君の手腕を見せて・・・・・・ううぅ・・・! |
025 |
N |
言い残すとパエッタは再び意識を失った。 ヤンの指示を受け急行してきた軍医たちが、パエッタを生命維持装置の中に運び込む。 |
026 |
ヤン |
早く処置を頼むよ。 |
027 |
アッテンボロー |
評価されてますね。 |
028 |
ヤン |
ふっ。そうかな。 「全艦隊に告げる! 私は総司令官の次席幕僚、ヤン准将だ。 総司令官は、旗艦パトロクロス被弾のため重傷を負われた。 総司令官の命令により、私が全艦隊の指揮を執る。 心配するなぁ、我が部隊は負けはしない!」 ハッ。私も、偉そうなこと言ってるな。 |
029 |
アッテンボロー |
いいえ!あなたならやれそうです。 たぶん・・・ |
030 |
ヤン |
たぶん・・・か。 「新たなる指示を与えるまで、各艦は各個撃破に専念せよ! 以上だ。」 |
031 |
N |
司令が交代したからといってすぐに事態が好転するわけでもない。 帝国軍ワルキューレの戦隊による猛攻が続く。と、そこへ後ろから砲撃がかかり、ワルキューレが爆散した。 同盟軍の艦載機、スパルタニアンの攻撃である。 |
032 |
アッテンボロー |
しかしよ。俺たちはいつまで戦うんでしょうかね? |
033 |
ヤン |
この戦いが終わっても戦争は終わりはしないからね。 |
034 |
アッテンボロー |
とりあえず、あの要塞がある限りは・・・ですかね。 |
035 |
N |
イゼルローン要塞―――― 銀河帝国の難攻不落の要塞である。 銀河帝国と自由惑星同盟との間には航行不能の広大な空域があり、その中に唯一通行可能な航路がイゼルローン回廊と呼ばれる空域だ。 従って、どちらがどちらに攻撃をかけるにも、この回廊を通らねばならなかった。 そして、この空域に30年前、帝国軍によって建設されたのがイゼルローン要塞である。 イゼルローン要塞。 直径60km。表面が流体金属の分厚い層を成す、質量60兆トンの巨大な人口天体。 そして、その最大の武器はトールハンマーという巨砲だった。 この要塞がある限り、同盟軍は銀河帝国の中に入り込むことが出来なかった。 従って戦いはイゼルローン回廊内のどこかで絶えず行われていた。 第一次、第二次、第三次ティアマト会戦。 レグリッツァ惑星上空戦。 第四次ティアマト会戦。 そして今、アスターテ星域会戦。 |
036 |
キルヒアイス |
戦いの勝利は見えていますが、予想以上に敵は抵抗をあきらめません。 |
037 |
ラインハルト |
この期に及んで往生際の悪い。この劣勢をどう挽回する気だ。 まあいい。このままではわが軍の損害も無視できないものになる。 キルヒアイス。 |
038 |
キルヒアイス |
はい。 |
039 |
ラインハルト |
戦列を組みなおす。全艦隊、紡錘陣形を執るよう伝達してくれ。 理由は分かるな? |
040 |
キルヒアイス |
中央突破を・・・なさるおつもりですね? |
041 |
ラインハルト |
うむ。 |
042 |
N |
帝国軍の隊列の変化は、すぐに同盟軍でも認識されることとなる。 |
043 |
ヤン |
敵は紡錘陣形を取りつつある。中央突破を図る気だ。 |
044 |
アッテンボロー |
え?中央突破!? |
045 |
ヤン |
ああ。奴さんならそうするだろう。さあ私はどう受けようかな? |
046 |
N |
帝国軍の動きは迅速かつ精緻である。 |
047 |
ラインハルト |
全艦隊突入。 |
048 |
N |
各将はラインハルトの命令から一分(いちぶ)も遅れずにその任を遂行した。 |
049 |
ヤン |
さあ、おいでなすった。問題は・・・ |
050 |
アッテンボロー |
え? |
051 |
ヤン |
味方が私の思い通りに動いてくれるかだ。 |
052 |
アッテンボロー |
動かなかったら? |
053 |
ヤン |
ん?・・・頭をかいてごまかすさ。 |
054 |
同盟軍OP |
「敵艦接近!艦形から見て、ワレンシュタインと思われます!」 |
055 |
アッテンボロー |
主砲斉射だ!目標至近! |
056 |
同盟軍OP |
「さらに敵艦!ケルンツェル!!」 |
057 |
ヤン |
敵はヤル気満々だねぇ。 |
058 |
アッテンボロー |
こちらもやるっきゃありません。主砲斉射! |
059 |
帝国軍OP |
敵、わずかながら後退。 敵、後退の速度を速めています。 |
060 |
N |
帝国軍の反応はこうだ。 だがこの反応は、ヤンの待っていたそれであった。 |
061 |
ヤン |
どうやら上手くいったようだな。味方は私の言ったように動いてくれている。 |
062 |
アッテンボロー |
負けずに済みそうですね。 |
063 |
ヤン |
フ、たぶんね。 |
064 |
N |
同盟軍サイドの打算は終わり、著しい艦隊運動を行う。それに対する帝国軍の認識は違った。 |
065 |
帝国軍OP |
「敵、我が艦隊の中央突破で分断されつつあります。」 |
066 |
ラインハルト |
・・・・・・・・・!なにッ!? |
067 |
キルヒアイス |
何か? |
068 |
ラインハルト |
あれが・・・我が艦隊に引き千切られたのではなかったら・・・? |
069 |
キルヒアイス |
まさか・・・ |
070 |
ラインハルト |
しまった! |
071 |
ヤン |
今だ!機関全速! |
072 |
帝国軍OP |
「敵が左右に分かれました!何と高速で逆進してゆきます!!」 |
073 |
ラインハルト |
キルヒアイス!! してやられた・・・。敵は二手に分かれて、我が軍の後ろに回る気だ。中央突破作戦を逆手に取られてしまった。 こんな真似ができるのは・・・・・・あの男だ! |
074 |
キルヒアイス |
ヤン・ウェンリー准将・・・・・・ |
075 |
N |
通常、准将位の人間が艦隊の指揮を取っているはずはない。
にもかかわらずラインハルトがそう確信したのは、ヤン・ウェンリーという男の技量が、同盟軍より敵である帝国軍の認めるところになっているせいか。 勝利の気配に沸く同盟軍陣営。 |
076 |
同盟軍OP |
「味方艦隊、敵の後ろに出ました!!」 |
077 |
ヤン |
よーし。敵の尻尾に火をつけてやれる。 だが・・・このまま勝たせてはもらえないだろうね。相手が相手だ。 ま、負けもしないがね。 |
078 |
アッテンボロー |
さぁて、敵はどう出ますかね?ローエングラム上級大将さんは・・・ |
079 |
キルヒアイス |
どうなさいます?反転、迎撃なさいますか? |
080 |
ラインハルト |
冗談ではない。 |
081 |
キルヒアイス |
では、前進するしかありませんね。 |
082 |
ラインハルト |
その通りだ。 全艦隊全速前進。時計回りに後ろの敵のさらに後ろにつけ。 |
083 |
N |
しかし、一部の提督はラインハルトが及び腰になったとして、その指示の真意を汲み取ることが出来なかった。 |
084 |
帝国軍OP |
「エルラッハ少将の艦が指令無視です。反転を始めました。」 |
085 |
ラインハルト |
愚かな。死ぬ気か? |
086 |
N |
直後、ラインハルトの乗する旗艦ブリュンヒルトから目視距離で、エルラッハの艦が火球を成し爆散した。 艦を反転するさなかに敵中性子ビームの直撃を受けたのだ。 |
087 |
ラインハルト |
自業自得だ。しかし・・・ |
088 |
キルヒアイス |
はい。我が艦隊の高級指揮官の、初めての戦死です。 |
089 |
ラインハルト |
指令を徹底させよう。 |
090 |
キルヒアイス |
はい。 |
091 |
N |
一方の同盟軍だが、まだまだ不利は続いており気を抜けない状態が続いていた。 |
092 |
同盟軍OP |
「敵、前進を続けます!」 |
093 |
ヤン |
やはりあの手か・・・ |
094 |
N |
数時間後。陣形はリング状になっていた。 |
095 |
アッテンボロー |
こんな陣形は始めて見ますね。 |
096 |
ヤン |
そうだろうね。 要するに二匹の蛇がお互いの尾に喰らいついて、お互いを飲み込もうって感じだね。 |
097 |
アッテンボロー |
じゃあ、そのうち両方の蛇は? |
098 |
ヤン |
お互いの腹の中で消化されて消えてしまう・・・ハ。 もうすぐ敵は退き始めるだろう。 |
099 |
アッテンボロー |
追撃しますか? |
100 |
ヤン |
やめとこう。敵に呼吸を合わせてこちらも引くんだ。 ・・・ここまでが精一杯だよ。これ以上戦うのは無理だ。 |
101 |
N |
ヤンの言うとおり、両司令官はこの大局においては全く同じ考えを持っていた。 |
102 |
ラインハルト |
何たる無様な陣形だ・・・!これでは消耗戦ではないか。 キルヒアイス。どう思う? |
103 |
キルヒアイス |
そろそろ、潮時ではないでしょうか。 |
104 |
ラインハルト |
お前もそう思うか。 |
105 |
キルヒアイス |
これ以上戦っても、双方共に損害が増すばかりです。戦略的に何の意味もありません。 |
106 |
ラインハルト |
・・・・・・・・・。 |
107 |
キルヒアイス |
悔しいと・・・お思いですか? |
108 |
ラインハルト |
そんな事は無いが・・・、もう少し勝ちたかったな。 |
109 |
キルヒアイス |
2倍の敵に囲まれて、二艦隊を全滅させたのです。 これ以上お望みになるのはいささか欲が深いと・・・いうものです。 |
110 |
ラインハルト |
分かっている。後日の楽しみというものがあることもな。 しかしやはり、やるではないかあの男。 |
111 |
キルヒアイス |
ヤン・・・ウェンリー准将・・・・・・ |
112 |
ラインハルト |
ああ。 あの男に私の名で電文を送ってやってくれ。 |
113 |
キルヒアイス |
どのような文章を? |
114 |
N |
程なくして、同盟軍司令代行座乗艦となったバトロクロスにその電文が届いた。 |
115 |
アッテンボロー |
ヤン准将!帝国軍から電文が入りましたよ。 |
116 |
ヤン |
電文か。読んでみてくれ。 |
117 |
アッテンボロー |
いいんですか?じゃ・・・ええと、 "貴官の勇戦に敬意を表す。再戦の日まで壮健なれ。銀河帝国軍上級大将ラインハルト・フォン・ローエングラム" |
118 |
ヤン |
勇戦と評してくれたか。恐縮するね。 |
119 |
アッテンボロー |
どうします?返信しますか? |
120 |
ヤン |
いやぁ、いいさ。放っておいて。先方もそんなものは期待していないんじゃないかな。 それより残兵の収容を急いでくれ。助けられる限りは助けたい。 |
121 |
アッテンボロー |
ずいぶん犠牲が出たでしょうね・・・他の艦隊は。 |
122 |
ヤン |
ああ。それに今回は、第六艦隊のラップ少佐を失った。 |
123 |
アッテンボロー |
・・・はァ・・・・・・ |
124 |
ヤン |
惜しい奴だった。 |
125 |
N |
アスターテ会戦の戦闘に動員された将兵は、帝国軍245万、同盟軍406万。 しかし戦死者数は帝国軍の15万に対し、同盟軍は実に十倍に及ぶ150万を数えた。 |
--- | ||
126 |
N |
惑星ハイネセン―――― 自由惑星同盟の首都星である。その海浜都市テルヌーゼンの一角に、美しいピアノの音が響く。 奏者はジェシカ・エドワーズ。年のころ20代半ば前だろうか、豊かなブロンドの壮麗な女性である。 その演奏の手をとめたのは、電話から発せられた軍の放送であった。 |
127 |
軍部放送 |
「国防委員会発表。 アスターテ会戦は我が同盟軍の大勝利に終わりました。しかしながら、第四艦隊と第六艦隊はかなりの損害を被(こうむ)った模様です。 詳細は後ほど発表される予定です。」 |
128 |
ジェシカ |
第六艦隊・・・・・・ |
129 |
N |
ジェシカはピアノの上に置いてある写真立てを見遣った。 その木枠の中で敬礼をしている男―――ジャン・ロベール・ラップ。 電話を取ったジェシカは短縮ダイヤルをプッシュした。 |
130 |
同盟軍広報課 |
「はい、こちら軍広報課。」 |
131 |
ジェシカ |
第六艦隊、ジャン・ロベール・ラップの消息を。 |
132 |
同盟軍広報課 |
「今の時点では、軍関係の方以外にはお知らせできません。失礼ですがお名前を。」 |
133 |
ジェシカ |
ジェシカ・エドワーズ。彼の婚約者です。調べていただければ分かります。 |
134 |
同盟軍広報課 |
「確認できました。ジャン・ロベール・ラップ大佐は・・・・・・」 |
135 |
ジェシカ |
大佐!?あ、あの人は少佐のはずですが・・・! |
136 |
同盟軍広報課 |
「いえ。ジャン・ロベール・ラップ少佐はアスターテ会戦にて名誉の戦死。二階級特進され大佐になられました。」 |
137 |
N |
受話器がそのオペレーターの言葉を遮るように置かれた。 |
138 |
ジェシカ |
!!・・・・・・・・・は・・・・・・っ!戦死・・・・・・・・・! (むせび泣く) |
139 |
N |
一方の帝国軍。旗艦ブリュンヒルトのブリッジではラインハルトが満足げな表情を見せていた。 |
140 |
ラインハルト |
キルヒアイス。イゼルローン要塞に寄航後、ただちに首都星オーディンに帰還するぞ。 姉上の誕生日には間に合わぬがな。 |
141 |
キルヒアイス |
(微笑む) |
142 |
N |
同じ"大勝利"という戦果報告を国内に発する同盟と帝国。しかしそれがもたらす内容は真逆と言ってもよいものであった。 |
--- | ||
143 |
N |
帰還し、一通りの報告義務を終えたヤンたちが向かったのは、ラップ少佐改め大佐の墓だった。 ヤンは頭に、同行するダスティ・アッテンボローはを片腕にそれぞれ包帯を巻いていた。 |
144 |
アッテンボロー |
また軍は、今回の戦いも大勝利と発表しましたね。 |
145 |
ヤン |
ああ。これでは一度も負けないうちに私たち同盟軍は一人もいなくなっているも知れないね。 誰の遺体も入っちゃいない墓。でも墓は墓だ。 ・・・・・・! |
146 |
ジェシカ |
・・・・・・・・・。 |
147 |
アッテンボロー |
?どうしました? |
148 |
N |
墓前には既に人がいた。何千と並ぶ宇宙に散っていった者達の最後の住処、そのひとつの前。 全身を漆黒で包んだ女性は、近づくヤンに気づくとゆっくりと顔を向けた。 |
149 |
ヤン |
ジェシカ。なんと・・・言っていいのか・・・・・・ |
150 |
ジェシカ |
何も言わないで。 ジャンは戦争に殺された。あなたを恨みはしないけれど・・・あなたのお仕事はその戦争でしょ!? |
151 |
ヤン |
・・・・・・・・・。 ジャン・ロベール・・・・・・ ああ。私たちの仕事は戦争だった。そうなんだよな。 |
--- | ||
152 |
N |
宇宙暦796年 帝国暦487年 アスターテの会戦はこうして終わった。 この戦いが、後の歴史家たちにとってどう位置づけられるかはともかく、まだこの年の戦いは始まったばかりだった。 |