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浦沢直樹 |
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20分 |
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175 |
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キャラクター紹介へ |
001 |
N |
ドイツ、シュタットイルム――――― レンガ色の屋根が立ち並ぶ街から少し離れたところにある一軒の家。 その扉を、60歳はこえているであろう白衣の男が激しく叩いていた。 |
002 |
シューマン |
ペトラ!!開けるんだ、ペトラ!! ペトラ、今日こそは連れて行くからな!! |
003 |
ペトラ |
やかましいね!!何度来てもムダだって言ってるだろ!!あんたみたいなヤブ医者に、誰がついていくかい!! |
004 |
シューマン |
ヤブ医者とはなんだ!!誰のために、私がこうして迎えに来てると思ってるんだ!! |
005 |
ペトラ |
誰もあんたなんか、呼んじゃいないって!!あんたみたいな悪魔に、メスで切り刻まれてたまるかい!! |
006 |
シューマン |
何、バカなことを言ってるんだ。とりあえず検査をさせなさい!! |
007 |
ペトラ |
へっ!!ゾンタークのとこのクララを、切り刻んで殺したくせに!! |
008 |
シューマン |
・・・クララはもう手遅れだったんだ。あんたも彼女のようになりたくなかったら出てこい!! |
009 |
ペトラ |
あんなふうになりたくないから、出て行かないんだよ!! |
010 |
シューマン |
この・・・・・・、ガンコ者の偏屈女―――!! |
011 |
ペトラ |
偏屈女だってェ!?よくも言えたね、この切り裂き魔――――!! あたしは生まれてこのかた医者なんぞに厄介になったことはないが、この通りピンピンしてるよ!!とっととお帰り!! |
012 |
シューマン |
この・・・・・・! |
013 |
N |
ドア越しの舌戦はさらに白熱するかと思われたが、それをさえぎるように、うしろから白衣の男を呼ぶ声がかかった。 スクーターに乗った男が全速力で走ってきている。 |
014 |
男 |
ドクタ〜〜〜〜!!ドクター・シューマン!! 大変だ、診療所に酔っぱらいのフィンクが・・・・・・! |
015 |
シューマン |
フィンクがどうした? |
016 |
男 |
国道ではねられて、今さっきかつぎこまれたんだ!! |
017 |
シューマン |
な、なんだと!? |
018 |
N |
二人はバイクに二人乗りして、病院に急いでいる。 |
019 |
シューマン |
ケガの様子はどうだ!?意識はあるのか!? |
020 |
男 |
俺ァよくわかんねえんだけどよ、フィンクをかつぎこんだ人が手当てしてるよ。 |
021 |
シューマン |
あ? |
022 |
男 |
ちょうど通りかかった人が診てるらしい。 |
023 |
シューマン |
なんだ、そりゃ? |
024 |
男 |
ん――、俺ァよくわかんねえけどよ。とにかく急ぐぜ! |
025 |
N |
シューマンの病院は田舎町の病院らしく、見た目はどちらかというと普通の一軒家だ。 その中のベッドでは、事故の被害者フィンクが横たえられている。 シューマンはその眠っている様子を見ながら、看護婦に尋ねた。 |
026 |
シューマン |
・・・・・・どういうことだ、これは? |
027 |
看護婦 |
先生は往診中だって言ったら、その人が・・・・・・ |
028 |
シューマン |
治療させたのか!?そのどこのどいつかもわからない男に・・・・・・! |
029 |
看護婦 |
す・・・すみません、一度は止めたんですけど・・・・・・。 クランケは吐物でちっ息する危険性があるので、気道確保の応急処置をさせてもらうって・・・ |
030 |
シューマン |
ふん! ・・・何者だ、そいつは!? |
031 |
看護婦 |
さあ・・・・・・名前も言わずに突然いなくなってしまって・・・・・・。 あ・・・!カルテに何か書いてましたけど。 |
032 |
シューマン |
なに? ・・・・・・ふん、"吐物を吸引管で吸いあげ、気管内挿管を・・・・・・"だと! ・・・ん? "・・・また患者は、金がない、医者には連れて行くなとうわ言をくり返していましたので・・・・・・" "この金を治療費としてお遣いください"だとォ・・・・・・ |
033 |
N |
見ると、カルテに添えて100マルク紙幣数枚が置いてあった。一般の治療には十分な金額である。 |
034 |
シューマン |
ふざけやがって!! |
035 |
N |
シューマンはその札束を力いっぱい握り締めると、病院を出て行こうとする。 |
036 |
看護婦 |
あ・・・先生、どちらへ? |
037 |
シューマン |
その正義の味方気取りの野郎を、とっ捕まえて来る、そいつの特徴は!? |
038 |
看護婦 |
東洋人で、男の子を連れてましたけど・・・・・・あの、フィンクさんの処置は・・・? |
039 |
シューマン |
そのまま、ベッドに寝かせておけ! |
040 |
看護婦 |
で・・・・・・でも、さっきの人が応急処置しただけなんじゃ・・・・・・ |
041 |
シューマン |
応急処置なもんか・・・・・・ |
042 |
看護婦 |
は? |
043 |
シューマン |
あれで、完璧なんだよ。これ以上の治療は・・・必要ないということだ! |
044 |
N |
シューマンは車を発進させた。 |
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045 |
N |
市街のレストラン。 そこでは、テンマとディーターが食事をしていた。 ガツガツと盛んに食べ物をかきこむディーター。テンマは眉を寄せてそれを見ていた。 |
046 |
テンマ |
なあ、ディーター・・・ |
047 |
ディーター |
ハグハグ・・・・・・ |
048 |
テンマ |
・・・・・・ふぅ・・・。 本当に困るんだ、私についてこられても・・・・・・ いいかい、たとえば学校はどうするんだ?私は一か所にいられない。君は学校へも行けないんだぞ。 |
049 |
ディーター |
ガッガッ・・・ムシャムシャ・・・・・・ |
050 |
テンマ |
あ、それに・・・!友達だってできないじゃないか。友達がいなけりゃ、大好きなサッカーだってできないんだぞ。 |
051 |
ディーター |
ハグハグ・・・・・・。友達、いるよ。 |
052 |
テンマ |
・・・誰だい? |
053 |
ディーター |
テンマ。 |
054 |
テンマ |
あ?・・・・・・・・・はぁ。 あのなァ、ディーター。 |
055 |
シューマン |
あんたか? |
056 |
N |
テンマが呆れかえっているところへ、声がかかった。 行きずりの町に知り合いがいるはずもない。テンマは驚いて振り向いた。 |
057 |
テンマ |
は? |
058 |
シューマン |
ひとの診療所で、よけいなことをしてくれたのはあんただな!? 俺をなめるな、俺は金のために診療所やってるわけじゃないっ!! |
059 |
テンマ |
うわっ!! |
060 |
N |
シューマンが先ほどの札束をテンマの胸に叩きつけた。 |
061 |
シューマン |
フィンクが、文無しのアル中なのはわかっている。あいつから、治療費をとろうなんてこれっぽっちも思っちゃいない! |
062 |
テンマ |
あ・・・・・・。あ・・・・・・いや・・・・・・ |
063 |
シューマン |
どうせ、どこぞの一流病院のエリート医師が、休暇中に仏心おこして悦に入ってるんだろうがな。 |
064 |
N |
シューマンの怒気に戸惑うテンマだったが、この直後さらに慌てることになる。 店に警官が入ってきたのだ。 |
065 |
ハインツ |
よお、マスター! |
066 |
テンマM |
(け・・・警官!!) |
067 |
テンマ |
ディーター、行くぞ!! |
068 |
シューマン |
おい、人の話しは最後まで聞け! |
069 |
N |
シューマンが制しようとするが、指名手配を受けているテンマはそれどころではない。 料理も放棄して、ディーターの手をとり立ち上がった。 |
070 |
テンマ |
申し訳ありませんでした。出すぎたマネをしてしまって・・・・・・ 私たちは先を急ぎますので・・・・・・・・・! |
071 |
シューマンM |
(ん?なんだ、突然・・・・・・) |
072 |
N |
しかし運悪く警官がこちらに気づき近づいてくる。 |
073 |
ハインツ |
やあ、シューマン先生、フィンクの容態はどうです? |
074 |
シューマン |
ああ、命に別状はない。アル中のほうは心配だがね。 |
075 |
ハインツ |
ん?そちらは? |
076 |
テンマ |
い・・・いや私は・・・・・・ |
077 |
シューマン |
・・・ああ、彼はドクター・チャン・・・私の大学の後輩だ。休暇中で、ちょっとこの村に寄ったんだ。 |
078 |
テンマ |
え!? |
079 |
ハインツ |
ドクター・・・チャン?どこかでお会いしましたか・・・・・・・・・ |
080 |
テンマ |
・・・・・・・・・。 |
081 |
シューマン |
今日も、フィンクを私のかわりに治療してくれたんだ。私が往診中にな・・・・・・ ところで、私のほうはどこへ行ってたと思うね? |
082 |
ハインツ |
え? |
083 |
シューマン |
ハインツ、あんたの母親の所だよ。 |
084 |
ハインツ |
お袋・・・・・・ |
085 |
シューマン |
あんたからも、診療所に来るように言ってくれ。早急に治療が必要かもしれないんだ。 |
086 |
ハインツ |
・・・無理だね・・・。あのガンコ者は、誰の言うことも聞きゃしないよ。 |
087 |
シューマン |
そんな・・・ひと事みたいに! |
088 |
ハインツ |
ハハ!大丈夫だよ、お袋は、そう簡単に死にゃしない。 |
089 |
シューマン |
な・・・・・・! |
090 |
ハインツ |
それに、俺をここまで育てあげたんだ。お袋も、思い残すことないだろうと思うよ。 じゃあな・・・ |
091 |
シューマン |
なんだと!!待て、コラ!!これからが、ペトラの人生だろうがァ!! 待て、ハインツ!! ・・・・・・あの野郎・・・・・・! |
092 |
テンマ |
・・・・・・なぜあんな嘘を・・・? |
093 |
シューマン |
大学の後輩ってか・・・・・・? あれはフィンクを、助けてくれたお礼だ。あんたの迅速な処置がなけりゃ、あいつは死んでた。 |
094 |
テンマ |
ありがとうございます。 |
095 |
シューマン |
・・・警察を見て、あれだけ青くなる・・・・・・ あんた・・・何か・・・・・・ ふ、まあいい、一流病院のエリート医師じゃないことは確かだな。 |
096 |
テンマ |
ん・・・・・・本当に助かりました。なんてお礼を言っていいか・・・・・・ |
097 |
シューマン |
お礼か・・・・・・。じゃあ、ちょっと返してもらうかな・・・・・・ |
098 |
テンマ |
え? |
099 |
N |
その後テンマは、シューマンの車に乗せられて数件の民家をまわることになった。 腕を折った人、足を折った人。脳神経外科医のテンマは怪我を負ったシュタットイルムの人々を丁寧に診察した。 テンマが診ている間シューマンは、各患者と世間話に花を咲かせている。 常に和やかな雰囲気、そして軽口が飛び交う中で、"テンマのお礼"はひと段落が着いた。 |
100 |
シューマン |
助かったよ、私の専門は内科だ。専門外のやれるだけのことはやっているがね・・・・・・ 山の向こうに、もう一つ村があって、そっちも診てる。 私一人じゃ、なかなか思うようにいかないのさ・・・・・・ |
101 |
テンマ |
素晴らしいです。 |
102 |
シューマン |
ああ、何もないが、のんびりした村だよ。 |
103 |
テンマ |
いえ、そうじゃなくて・・・。あなたはここの人たちに愛されて・・・、あなたもここの人たちを本当に愛してて・・・・・・。 |
104 |
シューマン |
ふん! 愛だと・・・・・・。そんな上等な感情は、とっくに失くしたよ・・・・・・。 |
105 |
テンマ |
何言ってるんですか?あなたは一人で、大勢の人の命を助けてるじゃありませんか。 |
106 |
シューマン |
・・・・・・医者として当然のことだ。私は仕事をこなしているだけだ。 ・・・さあ、もう一軒つきあってくれ。こいつが難物だ! |
107 |
テンマ |
あ!? |
108 |
ディーター |
ん―――。 |
109 |
テンマ |
・・・・・・・・・。 |
--- | ||
110 |
ペトラ |
あんたもしつこいね!! |
111 |
シューマン |
ああ、しつこく何度でも来てやる!! |
112 |
ペトラ |
何度来ても同じだよ!!とっととうせな、このヤブ医者!! |
113 |
N |
ペトラの家の前では、朝と同じような壮絶なドア越し会話が繰り広げられる。 しかし、結果は同じだった。 |
114 |
シューマン |
はぁ―――。やれやれこの通りだ、例の警察官の母親なんだが・・・ |
115 |
テンマ |
三日前に倒れたとおっしゃいましたね? |
116 |
シューマン |
ああ、農作業中に気分が悪くなって・・・、診療所へ連れて行こうとしたが、途中、もう平気だと勝手に家に戻ってしまった。 |
117 |
テンマ |
心配ですね。 |
118 |
シューマン |
・・・・・・ああ・・・。 |
119 |
テンマ |
私が説得してみましょうか? |
120 |
シューマン |
同じことかもしれんがな。 |
121 |
ペトラ |
まだそんな所で、ウロウロしてるのかい!! |
122 |
シューマン |
どこでウロウロしようがこっちの勝手だ!! |
123 |
テンマ |
まあまあ!先生みたいにがなりたてたら、出て来る者も出られなくなりますよ! |
124 |
シューマン |
なんとしても連れて行くぞ!!私の生きがいを失くしてたまるか!! |
125 |
テンマ |
・・・え? |
126 |
シューマン |
・・・あ、い・・・、いや、ケンカ相手がいなくなると、困るって言っただけだ。 あ・・・・・・あと、彼女が作ったグラシュも食えなくなるから・・・ね・・・・・・・ |
127 |
ディーター |
・・・おじさん、顔、真っ赤だよ。 |
128 |
シューマン |
な・・・・・なんだと、このガキィ!! |
129 |
テンマ |
ふふっ・・・・・・。 ペトラさ――ん!開けてください、ペトラさん! |
130 |
ペトラ |
なんだい、今度は別の医者が来たのかい!! |
131 |
テンマ |
うわ!! |
132 |
N |
テンマは、ドア越しでも伝わるペトラのあまりの剣幕に閉口してしまった。 |
133 |
シューマン |
ムダだよ!!そのガンコ者にドアを開けさせるには、爆弾でもしかけるしかない!! |
134 |
テンマ |
・・・・・・ペトラさん。・・・なんでそんなに、医者が嫌いなんですか? |
135 |
ペトラ |
なんでか・・・・・・だってさァ、ふん!! 人の体いじくって、自分のこと、神様とでも思ってるんじゃないのかい・・・・・・!! |
136 |
テンマ |
神様か・・・・・・。神様だったらいいなァと思うこともあります。 私たちも一生懸命なんですが、どうしてもミスは出てしまう・・・・・・。神様のように、完璧に人を治せたらと思うんですが・・・・・・。 私なんかいつも患者さんを診ながら、内心、ガタガタ震えているんですよ。 お願いですから、顔だけでも見せてくださいな。 |
137 |
N |
テンマが思いの丈を語り終えた時、木製のドアが音を立てた。 |
138 |
シューマン |
なに!? |
139 |
N |
中に入ると、ペトラは椅子に座ってじっと、こっちを見ていた。 |
140 |
テンマ |
こんにちは、ペトラさん。 ・・・ん?グラシュ作ってらっしゃるんですね、いいにおいだ。 |
141 |
ペトラ |
なんだい、あんた・・・・・・グラシュが好物かい? |
142 |
テンマ |
ええ、でもドクター・シューマンは、あなたの作ったグラシェだけが、大好物らしいですよ。 |
143 |
ペトラ |
え? そんなことは初耳だよ。いつ作ってやっても、何も言わずに食べてたくせに・・・・・・。 好物なら好物と言やあいいのに! |
144 |
テンマ |
フフ。照れ屋なんですよ。おっ、これは本当にうまそうだ! |
145 |
N |
鍋をのぞきこんだテンマが感想を述べた。 |
146 |
ペトラ |
まったく・・・・・・肩こってしようがないんだけど・・・。食事のしたくはしなくちゃならないからね。 |
147 |
テンマ |
肩こり・・・・・・。 ペトラさん、顎を胸につけられますか? |
148 |
ペトラ |
何言ってんだい、そんなことできるに決まってるだろ。 ほれ・・・・・・いてて! |
149 |
N |
ペトラが顎を下げてみせる。 |
150 |
テンマ |
ちょっと、失礼! |
151 |
ペトラ |
? |
152 |
N |
テンマはペトラに近づき、その顎の下に手を滑り込ませた。 |
153 |
テンマM |
(指が四本も入る・・・・・・) |
154 |
ペトラ |
・・・で、なんのまじないだい? |
155 |
テンマ |
いえ、ちょっと・・・・・・ |
156 |
N |
家に入れずにいたシューマンが、戸口に来たテンマに声をかける。 |
157 |
シューマン |
どうだ、具合は? |
158 |
テンマ |
おそらく・・・・・・・・・、SAHです。 |
159 |
シューマン |
・・・なんだってェ!? |
160 |
N |
その時、後ろで大きな音がした。 |
161 |
シューマン |
ペトラ!! |
162 |
テンマ |
ペトラさん!! |
163 |
N |
ペトラが意識を失っていた。 |
--- | ||
164 |
N |
シュタットイルム警察署――― |
165 |
N(先輩警官) |
おい、ハインツ!殺人容疑者の手配書のFAXだ。コピーとってくれ! |
166 |
ハインツ |
はい。 |
167 |
N(先輩警官) |
おふくろ大丈夫か?三日前に倒れたってェ? |
168 |
ハインツ |
あっ・・・・・・、ご心配ありがとうございます。あれは、殺したって死にませんか・・・・・・・・・ああっ!! |
169 |
N |
受け取った手配書に写る男はまさしく、ハインツが昼頃にレストランで見かけた男―――ケンゾー・テンマその人であった。 |
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170 |
テンマ |
三日前、最初の発作から72時間以内・・・・・・今はそのぎりぎりの時間です。早急に手術しなければ!! ヘリコプターを呼んで、間に合うかどうか・・・・・・!! |
171 |
シューマン |
・・・あんた・・・・・・、できるのか? |
172 |
テンマ |
え? |
173 |
シューマン |
頼む、手術できるんならあんたがやってくれ!でないと、私は・・・・・・ また愛する人を、自分のせいで失うことになる!! |
174 |
テンマ |
・・・・・・・・・。 |
175 |
N |
ペトラの死、そして警察の手。 その二つがゆっくりと、しかし確実に、テンマに近づいてきていた。 |